第1回 術後痛とは

皆さんこんにちは。私は外科病棟の新人看護師です。
今回は手術後の患者さんの痛みについて、麻酔科の先生に教えていただけることになりました。
先生、お願いします。

みなさんこんにちは。
これから「術後痛」について、
新人看護師さんでもわかるように解説していきます。
何でも聞いてくださいね!

早速ですけど・・・
術後痛って患者さんの手術後の痛みのことだと思いますが、どんな痛みですか?

手術では、組織が損傷します。神経組織が損傷することや、損傷部位で炎症反応が起こることによる痛みが「術後痛」と言われるもので、急性痛の1つです。急性痛は、その原因と痛みの関係がはっきり特定され、その原因が除去されることによって痛みはなくなるものです。
術後痛の場合、手術から時間が経って、炎症が治まり、損傷した組織が修復されれば痛みはなくなっていきます。

手術からどれくらい経過すると痛みは治まりますか?

術後痛は手術直後が最も痛く、安静時の痛みは1-5日程度で軽減していきます。しかし、体の動きによって創が動くと痛みは増強します。
これを体動時の痛みと呼びますが、この痛みは安静時の痛みが軽減した後も、一般的に数日間続きます。

術後痛は数日で治まるなら、
積極的に治療しなくてもいい気がしますけど・・・?

周術期医療の目標は、「患者さんの病態を少ない侵襲で外科的に治療し、患者さんをできる限り早く元の生活に戻してあげること」だと思います。最近、急性期病院では、必ずと言っていいほど入院患者さんの在院日数が院内の評価指標にされています。これは、単に病院の収益性だけを追っているのではなく、患者さんを1日でも早く元の生活に戻す方が、患者さんのQOLにとってもいいからなんです。
痛みを手術直後から積極的に治療することで、患者さんの活動性は高まり、回復が早くなることが期待できます。そこで術後鎮痛は、周術期医療の目標を達成するための手段として重要視されています。

え!?
もし、術後痛のケアをしないでそのままにしたら、
患者さんに影響がありますか?

痛みは患者さんにとって不快なのは当然ですが、痛みがあるために離床が遅れることも呼吸機能の面からよくありません。痛みのために咳や深呼吸ができなくなると、術後呼吸器障害が発生しやすくなります。
その結果、低酸素血症になり手術創自体の治癒が遅れてしまうことにもなりかねません。
また、痛みが強いことで交感神経活動や下垂体-副腎系の内分泌反応が亢進し、心拍数増加、血圧上昇を引き起こし、心臓に負担をかけることにもなります。さらに、手術創周囲の筋肉が攣縮することにより更なる痛みが発生し、その強い痛みをそのままにしておくと慢性痛に進展することもあります。他にも、離床が遅れると、深部静脈血栓症(DVT)、肺血栓塞栓症(PE)の原因になることもあります。
このような状態になると患者さんの回復が遅れるだけでなく、合併症の処置も必要になってしまいます。

術後の痛みはきちんと管理しないと、
合併症の恐れがあるんですね。
話は戻りますが、回復に1-5日程度って
・・・幅が広いですね。

それが重要なポイントです!
私たちが患者さんの術後の痛みをケアするときに認識すべきことは、同じ手術を受けた患者さんでも「痛みの程度」や「鎮痛薬の必要量」には個人差があること!!それを理解した上で、個々の患者さんの術後痛ケアを進める必要があるんですよ。

最後に、術後痛ケアを進める上で、
術後痛の管理目標について教えてください。

術後痛の管理目標は3つあります。

1. 安静時の痛みは「ない」もしくは「弱い」状態を維持すること。
これにより患者さんの安静状態が保たれます。

2. 体動時の痛みは「弱い」から「中程度」に維持すること。
これにより患者さんは、「深呼吸や咳が妨げられない」「体位変換や歩行が妨げられない」ことになり、早期離床による回復が促進されます。

3. 痛みを取るために用いる鎮痛剤の副作用を最小限に抑えること。
鎮痛剤を投与すると呼吸抑制、嘔気・嘔吐、血圧低下等が発現することがあるので、副作用を防止することも重要です!

なるほど~。ありがとうございました。

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